黒い炎
チラリと桜に目をやれば、相変わらず嫌みに笑って俺を見ていた。
幼い頃は頼りになる姉がいて良かった、でも成長と共にそんな姉が煩わしくなっていた。
今だってそうだ…鈴の事を思っていた事を見抜かれて、自分の気持ちを認識せずにはいられ無くなってしまった。
「私は、あんたの姉だからね」
「ちっ……」
偉そうに上から言う桜に舌打ちして、目の前の皿に箸をのばした。
「味わって食べなさいよ!鈴が作ったんだから」
「…………」
黙ったままの俺の隣りの椅子を引き自分も座り、はぁーっとため息を吐き出し頬杖をついた。