黒い炎
「素直……ってなんだよ…」
小さな子どもじゃあるまいし…素直になれと言われても困る。
今だ理解できぬ自分の心情に頭がついていかず苦しんでいるのに、素直ってなんだ?
目を閉じ柔らかく笑う彼女を思い浮かべてみる。
緩む口元を押さえて目を開けた。
「……素直になれ…か…」
今言えるの‘彼女に会いたい’ただそれだけだ。
好きとか嫌いとかそんな事に関係なく、ただ会いたい…顔が見たい。
でも……。
本音を言えば触れたい。
一度だけ触れた…あの白く柔らかな肌に…。