黒い炎

「あー、ハルさんの卵焼き食いてぇ…」


「……それわかる」


何となく口から出た言葉に、亮がくいついた。



「………マジ?…」


驚いた顔した亮が、俺の顔をまじまじと見つめる。



「…なに?」



黙ったままの亮にそう問えば、「やっぱ変だ!」と俺を覗き込む。



「お前がそんなこと言うなんて…ありえねー…それに…」


「それに?」


眉間にシワを寄せる俺に亮は言った。



「ぼんやりしてる時がある…まぁ兎に角変だいつもと違う!」


「…そうか?」


うんうんと頷いた亮が、理由を聞きたげな顔していたが、構わず寝ころんで目を閉じた。
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