黒い炎
気が付けばリビングのソファーに座る自分が居た。
どこをどうやって帰ったのかすら覚えてない。
「重症だな…」
立ち上がりキッチンに向かうと、冷蔵庫から冷えた水のペットボトルを取り出すと頬に当てた。
「つめて…」
キャップを開け水を飲もうとした時だった、玄関でバタンと扉が閉まる音が聞こえ俺はその動きを止めた。
何時もならバタバタと桜がやって来るはずなのに、しんと静まりかえったままで一向にその気配が無い。
不審に思った俺は玄関に足を向けた。
「桜?………はっ?なんで…」
居る筈の無い人物を目にし、驚きで俺は暫く言葉も発せず動けなかった。