黒い炎
「やっとまともに顔が見れた」
「…あ…」
「俯くな!」
目があったとたん俯きかけた鈴の顎に手をやり、強い言葉と共に目線をあわした。
「顔がみたい…目を逸らすな、俺をみろ」
揺れる瞳に俺を写し小さく震える鈴にもう一度問う。
「何できた?」
「…さ、桜ちゃんが…先に…入って待ってて…って…亮くん…と…コンビニに行っ…」
「俺に会いに来たんじゃないの?」
鈴の口から他の男の名前なんて聞きたくない…例えツレでも苛つく。
「俺がいるかもしれないのに1人で来た…俺に会いたかったから…違うか?」
「ぁ…ぅ…そ、それは…あのっ…わたし…わたし…」
瞳に溢れんばかりの涙を溜め、必死に喋ろうとする鈴をジッと見つめていたが、我慢の限界…思わず身をグッと寄せた。