黒い炎
もっと欲しい…このまま彼女の全てが…そう思った時だった。
……カチャン
玄関から聞こえた物音と話し声に俺は動きを止めた。
「……ちっ…あいつらか…鈴、あいつら帰ってきたから」
トロンとしている鈴を引き起こし、「続きはまた…な?」と、唇に小さくキスを落とし乱れた髪を直してやった。
「え…?あ…わたし…やだっ…」
「くくっ…」
焦って服の乱れを直す鈴が可愛くて笑う俺を、「笑わないでくだ…あっ!よ…?」と言い直し紅い頬を膨らませた。
「敬語…わかってるよな?」
「あ…う、うん…」
柔らかな唇に指先で触れる…あーもっとキスしてぇ…。