黒い炎
それは悋気
あの日から、鈴が家に来る回数は増えたが…2人になる時間は無い。
あの時の彼女を思い出し1人自分を慰める日々…情けない。
手を伸ばせば容易に触れられる距離にいるのに…。
鈴には桜がくっついてやがる…見張りか?
桜がいれば当然のごとく…「桜…ってまだ呼べないんだよなぁ」うな垂れる亮がくっついてくる。
「んな事俺に関係ねぇし…つーか帰れようっとうしい」
「な…酷い!!こんなにも悩む親友に帰れよなんて」
「大した悩みじゃねーだろ!」
酷いー…とクッションに顔を埋める亮を足蹴してやる。
「ぐわっ…暴力反対!!」
「てめぇは女か…煩いんだよ」
「酷いー」
こんなやり取りをしながらも、桜の部屋に居る鈴が気になって仕方ない。