黒い炎
変わり映えしなかった退屈な毎日が、少しづつ変化して行く。
俺にとっては、変化なんて微妙だと思うのだが、周りにはいつもと違って見えているらしい。
俺に"変化"をもたらしたのは、澄んだ瞳を持つ儚げな女。
(まさか…男…は、いねぇよな?)
「おい優弥!寝ながら難しい顔するなよ…気になるだろ…」
「…気にするな」
目は瞑ったままそう答えた。
どうやら鈴の事を考えると顔にでるらしい…気をつけないといけない。
でも…彼女の姿は、俺の目に頭に焼き付いて離れてなんてくれそうに無い。
「まぁ…気が向いたら教えてくれよ…あーあ昼寝だ昼寝!」
そう言って亮は静かになった。
ゆっくりと目を開ければ、眠る亮が隣にいる。
俺は、流れる雲をぼんやりと眺めていた。