黒い炎
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数日経った放課後…何の約束も予定も無かった俺と亮は、ぶらぶらと街を歩いていた。
「あれ?桜さん!」
隣で突然声を上げた亮が走り出した。
ヤツの姿を目で追えば、その先に同じく学校からの帰りだったのだろう制服姿の桜と鈴がいた。
「鈴…」
はやる気持ちを隠すようにゆっくりと歩みを進める。
俺も居ると亮に言われたのだろう、2人は揃って俺の方を向いた。
「あんたも居たのね」
「いちゃ悪いのかよ…」
近づいた俺と桜の会話にクスッと小さく笑う鈴。
目が合えば恥ずかしそうに俯く姿が何故か俺の胸をキュッと締め付けた。