黒い炎
鈴は小さい。
歩幅も狭い。
合わせて歩いているが、内心早く帰りたくてたまらない。
担いで帰ろうか?なんて考えが過る程余裕の無い俺。
つい…ぐいっと引いた手に、「…いっ」っと小さく声を上げた鈴の顔が歪む。
「はぁー…わりぃ」
眉尻を下げた鈴が俺を見上げる。
「あ、あの…」
「なに?」
不機嫌そうな俺に小さく震えた鈴がといかける。
「わ、わたし…何か…しましたか?」
俺を見つめた鈴の瞳に涙が浮かぶ。