黒い炎
「…きゃっ」
小さな子猫のように震える鈴を引き寄せぐっと顔を近づけた。
「言っただろ?…敬語はやめろって」
そして俺はその柔らかな感触を味わうように静かに唇を重ねた。
ちゅっ、と音をたて離した唇…真っ赤になる鈴が可愛くて、今度は深いキスを求めた。
ここが街中だろうが人前だろうが関係ない…ただ彼女が欲しかった。
「んっ…ちゅく…っ…ん…」
柔らかな舌と唇…甘い香り…まるで媚薬だ。
「これ以上はやばいな…」
「ん…はぁっ…」
一旦離れ彼女の濡れた唇を親指で拭ってやり、小さな手をとり俺はまた歩き出した。