黒い炎

マンションに着いたが、乗り込んだエレベーターが長く感じイラつく。



「くそっ…」




呟いた俺の言葉に鈴が反応し、ビクッと小さく身体が震えたのを繋いだままの掌が俺に伝える。




怯えるように俺を見上げ、何か言おうと口を開かけた時エレベーターが到着し、彼女は俯いてしまった。




そんな鈴の手を引き家を目指す。





鍵を取り出すのでさえイラついて上手く出来ない…なんだ?なんでだ?俺は何をこんなにも焦ってんだ…くそっ…一体何だってんだよ。



正体不明のイライラと焦りが、俺の行動が鈴を不安にさせていた。




乱暴に靴を脱ぎ鈴を急かす…リビングのソファーに彼女を座らせ自分も隣りに座った。




目を閉じ天を仰ぐ様にソファーに背を預け深い息を吐いた。



「…あ…あの…」




少し落ち着きを取り戻した俺に、鈴がおずおずと声をかけた。



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