黒い炎
「最初…キス…された時は…嫌だって思った…でも…だんだん…気持ち…いいかも…って…思う自分もいた…でもキスから先は怖くなって…気持ちいいの…どこかにいっちゃった…」
緩めた腕の中、彼女は俺を見上げ言った…ゆうや君とのキス嫌じゃないよ…と。
「俺は怖くないのか?」
「うん…怖くない……怖いのは…」
「怖いのは?」
一瞬だまった鈴が俺を見つめた。
「あなたとの…その先を求める自分」
「鈴」
「わたしっ、おかしいの…あんな目にあったのに…ゆうや君とならなんて…どうかしてるよね?…ごめんね…っ」
「鈴!」
鈴をもう一度キツく抱き締める。
「…おかしくなんてねぇよ…それって俺となら大丈夫って事だろ?俺の事…好きって事…だよな?」