黒い炎
あの女からだとわかった瞬間、
目眩がし気分が悪くなっていく…。


なんとか自宅に入り自室を目指す。

「…はぁっ…はあっ…」


すぐに読む気になれず、握りしめて
くしゃくしゃになった手紙を投げ捨てた。


「……くそッ!」


ベッドに倒れこんだ。


なんで今頃…くしゃくしゃの手紙を
横目に俺はそのまま目を閉じた。


鈴を守り幸せにすると決めたのに…。


ふぅーっと息を吐き、ぱっと目を開けて
立ち上がり歩きだす。


投げ捨てた手紙に向かって。



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