黒い炎
「優弥?」
帰ってきた桜が、俺の返答がないのを
不審に感じ部屋を開けた。
「優弥?いるなら返事くらい…って
あんた…泣いてっ、ちょっ、どうしたのよっ」
俺が握りしめていた手紙に気づくと、
ゆっくりと手を開かせた。
「…これっ…優弥っ」
桜は俺を抱きしめて泣いた。
「…お…ねぇちゃん」
「…っ…優弥、ごめん、ごめんねぇ…
おねぇちゃん助けてあげらなくて…ごめっ、
っく…んねぇ…」
抱きしめる桜の、姉の温かさが
ただ心地よかった…。