黒い炎
「鈴がいいっていったんだよ…なぁ?」
桜から鈴に顔を向ければ、「あ…うん…」と小さく返事をする。
「…鈴が?」
少し驚いた様子の桜だったが、俺の方をむき直しキッと睨む。
「鈴に変なことしないでよね」
「はいはい」
「やっぱりナマイキ!」
「さ、桜ちゃん…」
プンプン怒る桜を鈴が宥めていた。
「それより優弥、最近へんだよ」
「はぁ…またかよ…みんなしてやめて欲しいんだけど」
溜め息混じりに言葉を吐き出す。
「やっぱり変なんじゃない、だって帰りが早い」
「悪い?」
「悪い!今まであんたがいなかったから鈴とも会わなかったのに…なんで帰ってくるのよ」
「さぁ…なんでだろ…」