黒い炎
難解な感情
誰かに誘われれば、気が向くままに相手をしていたちょっと前までの俺。
その為帰りは遅くなる事も多かったし、時には朝まで…なんてことも多々あった。
しかし最近は気分がのらず、誘いを交わしてばかりだった。
かといって別段することもない、となると足は勝手に家に向く。
そんな時に出会ったのが鈴だった。
彼女の姿を目にした日から、益々気がのらない。
もやもやと胸に渦巻くこの思いがなんなのか…未だ解らずにいるのに、目の前の彼女にゾクゾクする…。
「…わかんねぇ」
「は?なにが?」
「なんでもない」
「…優弥…」
不安げな表情の桜が俺の視界に入る。
「…か、片付けはあんた達がやってよね!」