黒い炎
曖昧な僕等
いつもと違う真剣な亮に桜は戸惑っていた。
「一緒にきて」
そんな桜の手を掴むと、亮は歩き出した。
「…え、ちょっと亮?どこに…」
「いいから、黙ってついてきて」
「……っ…」
掴まれた手が熱くて、振り向いた亮の顔がまともに見れず桜は俯いた。
強引に桜の手を引き、亮が向かったのは近くの公園だった。
「座って桜さん…ってどうかした?」
手を離しベンチをさっとはらうと、桜に座るよう促す。
「へ?あ…うん…」
桜は急に離された手が寂しく感じられ、その手をじっとみつめていた。