黒い炎

それからの俺は、誘われるまま身体を重ねた。



女なんてみんな同じだ…。



声をかけてくるのは大抵が年上の女。



『ねぇ…おねーさんと遊ばない?』



彼氏がいようが何だろうが、欲を満たしたいアイツらはそんな事お構いなしで誘ってくる。



お陰でいらないテクも身についた。



『君ってウマいんでしょ?…だったらさぁあたしをイカしてくんない?』



そんな噂も流れてんのか…ウマい…ねぇ。



気持ちよけりゃ何でもいいのかよ…。



人間なんてそんなもか…人のこと言えねぇけど。



嫌悪を抱きながらも一時の快楽を求める。



じつに厄介。



しかし、ここ最近は何故かそんな気もおこらず、真っ直ぐ家に帰るという日々を送っていた。

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