黒い炎
鈴に出逢ったあの日から、優弥の中で起こりつつある変化。
何かが以前とは違う…それは優弥自身もうすうす感じてはいた。
気が付けば、鈴に向かい微笑む自分。
心の奥深くに広がる闇…それを覗かれたくない…知られたくない。
鈴に、汚い自分を知られるのを恐れる自分がいる。
なのに…一方ではあの白い肌に触れたい、彼女を壊したいと思う自分もいる。
今の自分の気持ちが理解できず、苛つく自分。
鈴だって女なのに、他の奴らとは違って見えるのは何故だ?
何より自ら触れたいなんて…。
こんな事は今まで一度だって無かった。
「何悩んでんだろ俺…」
"はぁーっ"と溜め息ひとつ吐き出した。