黒い炎

なのに…男のサガと教え込まれた快楽が、優弥の心と身体を容赦なく蝕んでいたなんて。



男の人と関係をもった事なんてないあたしが、優弥の心が悲鳴をあげていた事に気が付く筈がなかった。



『昨日も彼としちゃった』


なんて友達との会話で知ったこと。



彼氏持ちの子は、会うたびに関係を持っているとか、男の子は我慢できないとか…。



『好きじゃ無くてもできるよ』



そんな風に言う子もいたな…心と身体は別なんだって。



優弥もそうなのだろうか?



あたしには解らなかった…身体を繋げる喜びを知らないから。



でも…あたしは好きな人としか…。



だから思う…優弥だってあんな事が無ければ、悩むことなく好きな人と…って。
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