黒い炎
ようやくたどり着いた自宅。
リビングのソファーに"ドサッ"と身体をあずける。
姉の桜はまだ帰っておらず、しんと静まり返っていた。
なぜだかわからないが、鈴が居るような気がして重い脚を動かした。
『あいつがいるからどうだって言うんだ?』
何故…?
鈴を気にしてる…会いたい?
「はっ…ばかばかしい…なんで俺がっ…」
自嘲気味に笑い、独り吐き出した言葉。
彼女に同じ闇を感じた…だから何となく気になる。
ただそれだけだ。