黒い炎
「優弥?」
頭上から降ってきた声に、何となく顔をあげた。
「やっぱり優弥だ…何やってんのよあんた」
そこに立っていたのは都だった。
「…都か…」
「都か…じゃないわよ!こんなとこで何してんのよあんた」
「……べつに」
「じゃあなんでそんな顔してんのよ…」
都に言われ自分の顔に手をやった。
「なっさけない顔!」
「なさけなくて結構」
「なんかあった?」
俺の前にしゃがみ込んだ都が、じっと顔を覗き込む。
「…おまえに関係ない」
冷たく言い放ち、俺は立ち上がった。