黒い炎
「待ってよ!」
「なに…?」
怪訝そうに言った俺の隣、都は肩を並べると俺の腕をとった。
「一緒にいてあげる」
「は?いらねぇし離せ…てか、おまえこそ何してんだよこんな時間に…」
「んー塾だけど?たまたま通りかかったらさぁ、あんたが最高に情けない表情してたの」
「なんだよ…最高に情けない表情って…おわっ」
「行こう!」
言い終わらないうちに、都にグイッと腕を引かれ俺は更に眉間を寄せた。
「マジで離してくんね?」
立ち止まる優弥の腕に、都はしがみついた。
「やだっ」
「帰れ…」
ぎゅっと力を込めた都に、優弥はため息を吐き出した。