黒い炎
少女の闇
《side 鈴》
「鈴、明日はどうする?桜ちゃんの家に行くか僕とデートか…それとも優弥くんに会いたいかな?」
そう言って柔らかく微笑んだ兄。
「べ、別に優弥くんに会いに桜ちゃんのお家に行ってるワケじゃ…」
「焦ってる?」
クスッと笑う兄に、軽くため息を吐き出して答える。
「別に焦ってなんてない」
そう答えながらも、頭に思い浮かぶ優弥の姿。
男の子の事を気にするなんて…どうにかしてしまった自分に首を傾げる。
クスクスと声を殺して笑う兄。