黒い炎

彼に連れて行かれたのは、庭の奥まった場所にあった。



『これ…俺が任されたんだ…どう、かな?』


どう?と聞かれてもまったくの素人の私には、どう答えていいのかわからず困った表情でそれを見つめていた。



『どうって聞かれても困るよな…ごめん』



くしゃっと髪を掴んだ彼は、小さく頭を下げて申し訳なさげに笑った。



"ごめん"なんて、言わなければならないのは私の方なのに…。



俯いた彼に向かって、私は気が付けば手を伸ばしていた。

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