黒い炎
出来ることなら、穏やかな日々を送り笑っていてほしい。
あの彼とそれが出来るのだろうか?
完璧な容姿に纏うダークなオーラ。
まだ高校生だと言うのに、彼からは何となく危険な香りがする。
鈴が彼に向ける眼差しに嫉妬し、思わず名を呼べば何時もと変わらぬ安堵の表情を浮かべ駆け寄る。
その時感じた刺すような視線。
彼の自分に向ける視線に、一瞬身体が震えた。
何事も無かった様に振る舞い、大人を演じ鈴を車に乗せた。
俺を見た鈴が安堵したのが気に入らない…とか?
そんなところか。