黒い炎
あの眼の奥に感じた嫉妬…それが何よりの証拠だ。
彼がそれに気づいているかまでは解らないが…あの挑発的な態度は、やはり高校生らしいのか…。
「上手く行くといいが…」
互いを理解し合えたなら、きっと上手く行く。
あの2人にそんな日が来るのだろうか…。
いや、来て欲しい…妹の幸せを願う兄としては。
鈴に負わせてしまった傷は、自分のせいだと責任を感じる昴。
鈴が一生ひとりなら、自分が傍に居よう…覚悟は決めている。
だが心の奥では幸せを願う一方で、"この苦しみから解放されたい"…そんな思いが隠されているのも事実だった。