竜王様のお気に入り
当時のセイリュウ王の御代では、王と王妃の生気のみを、天界の民に分け与えていた。
それは王と王妃の威光を示す、恰好の儀式でもあった。
そうやって物の怪じみた者たちにも、ある程度の制御を利かせ、飢えを感じさせる事なく、天界は成り立っていた。
しかしそれも王妃の死によって、需要と供給のバランスが崩れた。
セイリュウ王が、生気を得られなくなってしまったのだ。
それはイコール、民に与える生気も無いということなのだ。
足りない生気を補うために、焦った民たちが選んだのは、仲間の生気を奪うこと。
天界が修羅場と化すのに、そう時間はかからなかった。
荒れているなんて優しい言葉は、表現が正しくない。
完全に生気を抜き取られ、動かぬ骸となった物の怪達は至る所に放置され、地獄絵図さながらであった。
それは王と王妃の威光を示す、恰好の儀式でもあった。
そうやって物の怪じみた者たちにも、ある程度の制御を利かせ、飢えを感じさせる事なく、天界は成り立っていた。
しかしそれも王妃の死によって、需要と供給のバランスが崩れた。
セイリュウ王が、生気を得られなくなってしまったのだ。
それはイコール、民に与える生気も無いということなのだ。
足りない生気を補うために、焦った民たちが選んだのは、仲間の生気を奪うこと。
天界が修羅場と化すのに、そう時間はかからなかった。
荒れているなんて優しい言葉は、表現が正しくない。
完全に生気を抜き取られ、動かぬ骸となった物の怪達は至る所に放置され、地獄絵図さながらであった。