竜王様のお気に入り
時を同じくして、ハクリュウがコハクを妃に迎えたいと言い出した。

コウリュウとの関係は、知っていたはずである。

ハクリュウらしからぬ申し出だった。

セイリュウ王がこの有様では、遅かれ早かれハクリュウの即位はやってくる。

持っている能力をみれば、ハクリュウ以外に竜王の後継者はいない。

ハクリュウの即位にあたり、妃には龍族の中の相応しい者が・・・と、誰もが思っていた。

絶対に、妹を娶らなければならない決まりは、なかったから。

しかし、事は天界を揺るがす惨事となっている。

即位と婚儀は、早い方がいいと思われた。

天界のためコハクは婚約を受け入れ、後はセイリュウ王の退任とハクリュウの即位の知らせを待つばかりであった。

が、その矢先・・・。

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