竜王様のお気に入り
「へぇ。そうなんですか。」


ヤヨイは妙に納得して、イオリのドレスを一撫でした。


「コウリュウさんは・・・。」


「はい?」


「・・・いいえ。
何でもありません。」


ヤヨイは尋ねるのを止めた。


コウリュウがまだ、コハクを想っているかどうかなんて、ヤヨイが知った所でどうなるもんでもない。


「えっと・・・。
ハクリュウは自分の生気を満たす為に、人間の生け贄を?」


「基本、そうだと思われます。」


イオリは、含みのある言い方をした。


「先代のように、龍の一族から妃を迎えて、生気を得ようとは考えなかったのかな?」

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