竜王様のお気に入り
声の主を見つけて、ヤヨイの表情はパッと明るくなった。
「ハクリュウ!」
ヤヨイは無意識に、ハクリュウの元へ駆け出してしまっていた。
そしてハクリュウのたくましい腰に手を回し、胸に顔を押し当てる。
それはまるで、幼い少女のような仕草だった。
そんなヤヨイの頭に手を乗せて、嬉しそうに見下ろすハクリュウの穏やかな顔は、イオリの知る竜王陛下ではない。
まだ、イオリがコハクの世話をしていた時に、時折見たことがあっただろうか。
しかし、それも束の間。
ヤヨイから視線を外し、コウリュウを見やるハクリュウは、いつもの冷酷無比な竜王陛下の姿に戻っていた。
「ハクリュウ!」
ヤヨイは無意識に、ハクリュウの元へ駆け出してしまっていた。
そしてハクリュウのたくましい腰に手を回し、胸に顔を押し当てる。
それはまるで、幼い少女のような仕草だった。
そんなヤヨイの頭に手を乗せて、嬉しそうに見下ろすハクリュウの穏やかな顔は、イオリの知る竜王陛下ではない。
まだ、イオリがコハクの世話をしていた時に、時折見たことがあっただろうか。
しかし、それも束の間。
ヤヨイから視線を外し、コウリュウを見やるハクリュウは、いつもの冷酷無比な竜王陛下の姿に戻っていた。