竜王様のお気に入り
緊張した空気が、その場に立ち込める。


「ハ・・・ハク・・・、竜王様!
私、大丈夫ですよ。
イオリさんがいなくても。」


ヤヨイは慌てて、ハクリュウを止めた。


そうしないとたぶん、ヤヨイのためにハクリュウはまた、弟を傷つけるかもしれない。


ヤヨイはそんなハクリュウを、見たくはなかった。


「なぜ?」


ハクリュウの問いに、何も考えていなかったヤヨイは困ったが、咄嗟に。


「ハクリュウが居てくれれば、それでいいよ。」


と、口にした。

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