竜王様のお気に入り
見る見るハクリュウの頬の色が、赤く色づいていく。


コウリュウもイオリも、驚きのあまり身動きできない。


ハクリュウの頬が赤くなり、確実にヤヨイの言葉に照れているのは明白だ。


「へ・・・部屋に戻るぞ、ヤヨイ。」


もはや、耳までもが真っ赤になったハクリュウは、ヤヨイを半ば抱えるようにして足早に去って行った。


初めて見る陛下の照れた真っ赤な顔は、コウリュウとイオリをそこに足止めするに、十分なインパクトがあったのだ。


置き去りにされたコウリュウとイオリは、一瞬目を合わせたが、何もなかったかのようにコハクの部屋を後にした。


ヤヨイの存在は天界にとって、明らかに大きなものになりそうだった。

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