竜王様のお気に入り
広く立派な部屋の中には、その部屋の主と人間の娘が、椅子とベットにそれぞれ腰掛けている姿がある。
部屋の主はもちろんハクリュウであり、ヤヨイを連れて来た竜王様でもある。
ヤヨイを見つめる優しい瞳は、漆黒に揺れており、見るものを魅了する。
ベットに座って、ハクリュウの視線を浴びているヤヨイは、もどかしそうに口を開いた。
「ハクリュウはどうして、セイリュウ王のように龍族の中から妃を、とは思わなかったの?
生気をもらうなら人間でなくても、妃をめとればよかった訳でしょ?」
その言葉を聞いて、ハクリュウは僅かに声を高めた。
「俺はセイリュウ王とは違う!」
そして、穏やかに続けた。
「生涯ただ一人、愛する者を妃に迎えたい。
一族の中に、愛しいと思える者は居なかったから、種族を越えてでも出会いたかったんだ。
やっぱりこれは、俺のわがままだったのかな?
でも、竜王の責務として、民に生気を与えなきゃならないからね。
それで、巫女を出させてた。」
部屋の主はもちろんハクリュウであり、ヤヨイを連れて来た竜王様でもある。
ヤヨイを見つめる優しい瞳は、漆黒に揺れており、見るものを魅了する。
ベットに座って、ハクリュウの視線を浴びているヤヨイは、もどかしそうに口を開いた。
「ハクリュウはどうして、セイリュウ王のように龍族の中から妃を、とは思わなかったの?
生気をもらうなら人間でなくても、妃をめとればよかった訳でしょ?」
その言葉を聞いて、ハクリュウは僅かに声を高めた。
「俺はセイリュウ王とは違う!」
そして、穏やかに続けた。
「生涯ただ一人、愛する者を妃に迎えたい。
一族の中に、愛しいと思える者は居なかったから、種族を越えてでも出会いたかったんだ。
やっぱりこれは、俺のわがままだったのかな?
でも、竜王の責務として、民に生気を与えなきゃならないからね。
それで、巫女を出させてた。」