竜王様のお気に入り
満たされた甘い時を過ごし、充足感と気だるい感覚が二人を酔わせていた。


まだ頬に紅潮を残し、ヤヨイはハクリュウに腕枕されたまま、コウリュウに言われた一言を尋ねた。


「ねぇハクリュウ。
私の部屋って、どこかに用意してもらえるの?
コウリュウさんに、また兄上の部屋へ戻るのか、って聞かれたから・・・。
なんなら、しょくど・・・」


「ここをヤヨイの部屋として使うに決まってる。」


ハクリュウは被り気味に、ヤヨイの言葉を遮った。


「俺達はこの先もずっと、一緒に居るんだから。」


「ふふっ。ありがとう」


頬を撫でながら、優しく自分を見つめ、甘く囁くハクリュウにヤヨイはドキドキしてしまう。


ヤヨイはハクリュウを魅了して止まない、あの向日葵のような笑顔で嬉しそうに笑った。


たまらなく愛しさが込み上がり、ハクリュウは無言でヤヨイをギュッと抱きしめる。


「ハクリュウ。苦しいよ」


ヤヨイは笑いながら、ハクリュウの肩を叩いた。


幸せが満ち溢れた、平凡なひとときだった。

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