竜王様のお気に入り
「コウリュウ様…。」
コウリュウが部屋中を歩き回るのを止めさせようと、イオリはため息混じりに声をかけた。
「ヤヨイ様の事が、気になっておいでですか?」
「・・・なっ!」
「図星ですのね?」
「違う!
そんなわけ、ないだろう!
兄上がヤヨイの生気を民に与えるよう、考え直してくれるには、どうしたらいいかと・・・。
そう、思っていただけだ。
民が兄上に、余計な不信感を抱いては、困るからな。」
明らかに慌てた早口で、コウリュウは取り繕ってはみたものの、イオリにはお見通しのようだった。
「ヤヨイ様にだけは、手を出してはなりませんよ。」
相変わらず人形のように澄ました表情で、イオリはピシャリとコウリュウに釘をさした。
コウリュウが部屋中を歩き回るのを止めさせようと、イオリはため息混じりに声をかけた。
「ヤヨイ様の事が、気になっておいでですか?」
「・・・なっ!」
「図星ですのね?」
「違う!
そんなわけ、ないだろう!
兄上がヤヨイの生気を民に与えるよう、考え直してくれるには、どうしたらいいかと・・・。
そう、思っていただけだ。
民が兄上に、余計な不信感を抱いては、困るからな。」
明らかに慌てた早口で、コウリュウは取り繕ってはみたものの、イオリにはお見通しのようだった。
「ヤヨイ様にだけは、手を出してはなりませんよ。」
相変わらず人形のように澄ました表情で、イオリはピシャリとコウリュウに釘をさした。