竜王様のお気に入り
そんな中、不安に駆られる人物がいた。


ヤヨイである。


『たぶん今、目があってるよね・・・私と。』


思い違いだと、信じたかった。


『ちょっとあんた・・・目を反らしなさいよ。』


竜王様を、あんた呼ばわりしてる事に全く気付かないほど、ヤヨイは動揺している。


『巫女は姉様なの。』


ヤヨイは恐怖で、実は声が出せていない。


『私はいいから、姉様を見て!』


心の中でヤヨイがそう思った時、やっと白龍の巨大な手が、台座に向かって降りてきた。


村人達も、白龍の動きがあった事に、ほっと肩の力を抜いた。

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