竜王様のお気に入り
「ヤヨイ。
こちらに参れ。」


ヤヨイはチラッとコウリュウを見やったが、ハクリュウに従った。


そして、ハクリュウに言う。


「ハクリュウ・・・。
コウリュウさんが見ていたのは、私じゃないよ。」


静かな呟きだった。


「いや、理由など関係ない。
コウリュウはお前に、触れたのだ。
さて、どうしてくれようか。」


ハクリュウは、恐ろしい程の無表情で、人差し指をコウリュウに向けた。


瞬間ハクリュウの指先から稲妻が走り、コウリュウの肩を掠める。


コウリュウの肩は、衣装が焦げて薄い煙が上がった。


衣装の下の皮膚も、勿論負傷したであろう。

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