竜王様のお気に入り
「ねぇハクリュウ・・・。
コウリュウさんは、まだコハクさんを想っているんだよ。
私がどうこうという訳ではないわ。」


先程見てしまったコウリュウの姿を思い出し、ヤヨイはまた切ない気持ちが込み上げてきた。


ヤヨイはハクリュウを安心させるためか、ギュッとハクリュウの体に手を回してくっついた。


ハクリュウはヤヨイの頭に大きな手を置くと、小さく息を吐いた。


「そうか・・・。
そうだな・・・。
いろいろと、話しておかねばなるまいな。」


ハクリュウはコウリュウに視線を向けた。


「・・・・・・・・・・。
我は竜王の座を・・・。
譲る事になるかもしれぬ。」


あまりの唐突な言葉に、そこに居た全員が、偉大なる天界の竜王陛下を仰ぎ見た。

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