竜王様のお気に入り
「だから・・・。
ヤヨイが気にする事なんて、何にもないんだよ。
ワガママって言われてもいいよ。
俺がそうしたいの。
まぁ、でも確かに、前代未聞ではあるよな。
竜王が人間界で暮らすなんて、聞いた事ないからね。」


いたずらっ子が笑うように、楽しそうに微笑んで、ハクリュウはヤヨイが座るベットへと移動した。


「生気が足りない。」


ヤヨイの耳元でそう囁くと、ハクリュウは自分の体重をヤヨイに落とした。


シルエットが重なり、甘い時が部屋を満たす。


ハクリュウの整った顔が紅潮し、ヤヨイに酔う。


ヤヨイも最早、ハクリュウを完全に受け入れて、身を委ねている。


愛し合うとは、こういうことなの?
この、満たされた気持ちの事を言うの?
だったら私、家族以外にも、愛すべき人と、巡り会えたよ。
ハクリュウ・・・あなたに。


二人の心は、もう、離れないだろう。

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