竜王様のお気に入り
天界の冷酷王
どのくらい経ったのだろう。


不意に意識が戻ってきた。


あまりの衝撃的な出来事に、ヤヨイは気を失っていたようだ。


うっすらと目を開けて、辺りの様子を伺ってみる。


どうやら、人の気配は感じない。


しかし・・・。


ヤヨイは初めて見る、目を見張るような豪奢な部屋に、夢見心地だ。


白と紫を基調として、挿し色に金と朱が効いている。


少し体を動かして、自分がどこにいるのかを知ったヤヨイ。


「・・・うわっ・・・なんて柔らかい布団。」


ヤヨイは、大きくて広い極上のベッドに、寝かせてもらっていたらしい。


控えめに上下に体を揺すって、柔らかさを確かめてみた。

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