竜王様のお気に入り
イオリは、コホンと咳払いをして、笑いを治めると、キリッと表情を引き締めた。
「竜王陛下が退任なさりたいと仰せになるのでしたら、スムーズに事を進めて差し上げるのもよろしいかと。
それもまた、臣下の務めとなりましょう。」
コウリュウは、納得出来ないといった感じで、イオリを見る。
「イオリはそれでいいのか?
俺は嫌だ。
絶対、退任なんかさせない。
シリュウに連絡をつけてくれ。
俺が動く。」
イオリはコウリュウの言葉に従うべく、表情のない人形に戻り、無言で一礼した。
今、イオリの主はコウリュウであり、主の命令は絶対である。
イオリはコウリュウが指名した、気位の高いシリュウの顔を思い浮かべて、表情を曇らせた。
紫色の流れるような長い髪と艶めく白い肌、そして漆黒の瞳。
コハクともヤヨイとも、まとう空気は違っていた。
イオリには、竜王陛下がシリュウを気に入るとは到底思えなかったが、今は従うしかなかった。
「竜王陛下が退任なさりたいと仰せになるのでしたら、スムーズに事を進めて差し上げるのもよろしいかと。
それもまた、臣下の務めとなりましょう。」
コウリュウは、納得出来ないといった感じで、イオリを見る。
「イオリはそれでいいのか?
俺は嫌だ。
絶対、退任なんかさせない。
シリュウに連絡をつけてくれ。
俺が動く。」
イオリはコウリュウの言葉に従うべく、表情のない人形に戻り、無言で一礼した。
今、イオリの主はコウリュウであり、主の命令は絶対である。
イオリはコウリュウが指名した、気位の高いシリュウの顔を思い浮かべて、表情を曇らせた。
紫色の流れるような長い髪と艶めく白い肌、そして漆黒の瞳。
コハクともヤヨイとも、まとう空気は違っていた。
イオリには、竜王陛下がシリュウを気に入るとは到底思えなかったが、今は従うしかなかった。