竜王様のお気に入り
王宮から出て、イオリはシリュウの暮らす屋敷に赴いている。
正直、気は進まない。
ハクリュウを竜王として繋ぎ留めるための、苦肉の策である。
竜王陛下が望まぬ王妃を迎えるはずはなく、事態はより悪化するであろう。
コウリュウの立場を考えると、イオリは足取りが重くなる。
勝手に裏で手を回すコウリュウに、罰が下らなければいいのだが。
当然、竜王陛下の許可なしに動くのはタブーであった。
しかもそれは、ハクリュウが一番嫌う事でもあるのだ。
次は本当に消されてしまう。
そんな不安が、イオリの脳裏を掠めた。
---。
シリュウの屋敷は王宮からそう遠くない。
ゆっくりと進んだつもりだったが、じきに到着してしまった。
イオリの口から、大きなため息が漏れる。
『何故、よりによってシリュウ様なのだろうか。』
イオリは心の中で呟くと、もう一度ため息を漏らした。
正直、気は進まない。
ハクリュウを竜王として繋ぎ留めるための、苦肉の策である。
竜王陛下が望まぬ王妃を迎えるはずはなく、事態はより悪化するであろう。
コウリュウの立場を考えると、イオリは足取りが重くなる。
勝手に裏で手を回すコウリュウに、罰が下らなければいいのだが。
当然、竜王陛下の許可なしに動くのはタブーであった。
しかもそれは、ハクリュウが一番嫌う事でもあるのだ。
次は本当に消されてしまう。
そんな不安が、イオリの脳裏を掠めた。
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シリュウの屋敷は王宮からそう遠くない。
ゆっくりと進んだつもりだったが、じきに到着してしまった。
イオリの口から、大きなため息が漏れる。
『何故、よりによってシリュウ様なのだろうか。』
イオリは心の中で呟くと、もう一度ため息を漏らした。