竜王様のお気に入り
イオリは入口の扉を叩いて、シリュウが出て来るのを待った。
程なく、紫色に流れる髪の美女が、マーメイドのような紫色のドレスを身に付けて現れた。
暖かみを感じない女性。
シリュウは上手に振る舞うためコウリュウは知らないが、コハクの事を嫌っていた。
コハクは黒い瞳を持たぬ、突然変異の異端児だ。
なのに、妖艶で美しいコウリュウに愛され、眉目秀麗な凛々しいハクリュウと婚約した。
この完璧な美さを持つ、自分を差し置いて。
シリュウはそんなコハクを、心の底から苦々しく思っていたのだ。
『思いあがりも甚だしい』
イオリの方こそ、シリュウを苦々しく思っていた。
程なく、紫色に流れる髪の美女が、マーメイドのような紫色のドレスを身に付けて現れた。
暖かみを感じない女性。
シリュウは上手に振る舞うためコウリュウは知らないが、コハクの事を嫌っていた。
コハクは黒い瞳を持たぬ、突然変異の異端児だ。
なのに、妖艶で美しいコウリュウに愛され、眉目秀麗な凛々しいハクリュウと婚約した。
この完璧な美さを持つ、自分を差し置いて。
シリュウはそんなコハクを、心の底から苦々しく思っていたのだ。
『思いあがりも甚だしい』
イオリの方こそ、シリュウを苦々しく思っていた。