竜王様のお気に入り
「イオリには言っておくか。」


ハクリュウは真面目な顔をしてソファーに座り直し、身を乗り出してイオリを見据えた。


そして小声でささやく。


「実はな・・・。
我とヤヨイで、人間界に下りようと思っておるのだ」


「・・・・・。」


「イオリ。
我等の手引きをせよ。」


「・・・・・。」


「イオリ?」


「・・・・・。」


「イオリ?」


「え~っっ!!」


イオリらしからぬ驚き方だった。


「黙れ!」


ハクリュウは慌ててソファーから立ち上がり、咄嗟にイオリの口を押さえた。

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