竜王様のお気に入り
シリュウはコウリュウの部屋を後にして、自分の屋敷へ帰らずに広い廊下を進んでいた。


行く先は、近い将来『夫』になる人の部屋。


イオリに見つからないように、こっそりと宮殿内に潜んで、訪問するタイミングを図っていたのだ。


シリュウは、竜王陛下に望まれて、王妃になると思っている。


この突然の訪問も、当然受け入れてもらえると、勝手に決めこんでいた。



・・・だとしても。


シリュウは、絶対にしてはならない罪を犯した。


王妃になれるという、甘い言葉にそそのかされて、シリュウは思い上がっていたのだ。


自分なら許されると・・・。


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