竜王様のお気に入り
竜王陛下の部屋に到着したシリュウが、とった行動。


それは。


扉をノックすることも、ましてや、控えの間で待機することも無く、部屋の扉を不躾に開け放ち、満面の笑みで竜王に直答する。


「竜王陛下!
シリュウでございます!
この度のお申し出、大変嬉しく存じまして!
王妃に迎えていただく喜びを、一刻も早くお伝えしたく、飛んで参りました!」



とんだピエロだった。




高揚したシリュウの声とは裏腹に、ピリピリと怒りに満ちた空気が、部屋の中を漂う。


竜王は全身で、最上級の怒りを現していた。

< 187 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop