竜王様のお気に入り
「誰が入室を許可した?
貴様、死にたいか?」


地を這うような、冷酷な重低音が、シリュウに襲いかかる。


怒りに我を忘れ、ハクリュウは体から真珠色の光を放ち、すくっとソファーから立ちあがった。


驚いたヤヨイが、隣でハクリュウを見上げている。


「えっ?えっ?」


恐怖に怯え、シリュウは委縮してしまう。


「ハクリュウ!」


戸惑いの表情をして、ヤヨイがハクリュウの雄々しい手を、ぎゅっと握った。


「出ていけ!
二度と我の前に、その醜い面を晒すな。
よいか・・・次はないぞ。
早く消えろ!!」


女性にかける言葉では、決してない。


自分が何故、こんな目にあっているのか訳が分からないまま、シリュウは震える足取りで退室して行った。


ヤヨイの表情は硬いままであった。

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