竜王様のお気に入り
コウリュウはイオリを見ると、浅い笑みを浮かべた。


「…では、早速だが…。」


コウリュウはイオリに指示を出した。


「竜王陛下に、崩御していただくぞ。」


「やはり、それしか御座いませんね。」


「俺の意図は分かっているな?」


「…はい。
私もそれが一番よろしいかと、思います。」


大まかな打ち合わせを済ませると、イオリは深く一礼し、コウリュウの部屋を後にした。


イオリが居なくなったのを確認したコウリュウは、ソファーにゴロリと横になり天井を見つめた。


「コハク…。」


琥珀色の瞳を思い浮かべて、瞼を閉じる。


コウリュウの想いもまた、複雑であった。

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